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ASP感染管理のQ&A | ASP Japan合同会社

バイアル・輸液ボトルゴム栓部の消毒について

これから使用する未開封のバイアルや輸液ボトルを開けた時は滅菌された状態であっても輸送中等にトラブルが起きる可能性があるので、開封時にアルコールで消毒すると一度文献で読んだことがあるのですが、もう一度どのような事情があり、それが推奨されているのか教えていただけないでしょうか?

 

カテーテル関連血流感染(CR-BSI:Catheter Related Bloodstream Infection)の原因として「カテーテル挿入部位より皮膚の微生物がカテーテルに沿って移動してカテーテル先端で増殖する」「カテーテルや輸液ラインの接続部や注入口が汚染して輸液を通じてカテーテル内腔に微生物が定着して増殖する」「輸液製剤の微生物汚染」の三つがあります。

輸液薬剤を調整するときは、清浄度が高く管理された薬剤部のクリーンベンチなどで行うことが細菌の混入を防止するために有効です。しかし、現実的は看護師が病棟などで輸液の調整を行っていることが多いと思います。そのような場合は、細菌汚染の頻度が高くなるとの報告もあるため調整業務を実施する環境を清潔に保つことや手指衛生に加えて清潔な手袋とマスクを着用することが必要です。

未開封のバイアルや輸液製剤の排出口(ゴム栓部分)には、プラスチックのキャップやシールが清潔な状態でシール(滅菌は行っていません)されていますが無菌性を保証しているわけではありませんので、排出口はアルコール綿で十分清拭して消毒する必要があります。

最近のツインバッグなどは、基本輸液製剤とアミノ酸輸液が簡単に無菌的に混合できるようになりましたが、総合ビタミン剤などはシリンジを使用して輸液バッグに注入することが必要なため薬液注入時の細菌汚染には十分注意する必要があります。

その他の注意点としては、コアリング* を防止するために排出口に注射針を垂直に刺すことや同一箇所に繰り返し針を刺さないようにします。また、輸液製剤の排出口をシールしているフィルムなどがはがれている場合や内容液に着色又は混濁などの異常が認められる場合、包装内に水滴が認められる場合は使用しないようにしてください。

*コアリング−刺入する針のヒールなどで輸液製剤のゴム栓部分が削れる現象。輸液にゴム片が混入すると血管内に異物が入ってしまう。

参考文献
  1. Breckenridge,A.Report of the working party on the addition of drugs to intravenous infusion fluids.HC,(76)9,Breckenridge report,London,Depsrtment of Health and Social Security,1976.
  2. CDC. Guidelines for the Prevention of Intravascular Catheter-Related Infections. MMWR 2002; 51(RR10): 1-26 .

この質問に回答いただいたのは・・・

島崎豊先生

愛知県厚生連海南病院 医療安全管理部 感染対策室 感染管理責任者 看護師長

1977年大雄会一宮看護専門学校卒業、大雄会病院、知多市民病院、1990年より現職。日本看護協会感染管理、聖路加国際病院感染管理、国立国際医療センターエイズ看護、県立愛知病院結核感染予防などの研修を修了。1994年感染管理責任者。医療安全管理部、感染対策室を立ち上げ現在に至る。日本医療機器学会理事、日本環境感染学会評議員、職業感染制御研究会幹事、中部地区中材業務研究会会長、歯科感染予防研究会会長。

愛知県厚生連海南病院 医療安全管理部 感染対策室 感染管理責任者 看護師長 島崎豊先生