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ASP感染管理のQ&A | ASP Japan合同会社

尿道留置カテーテル挿入患者の入浴について

尿道カテーテル留置患者の入浴は、陽圧で感染を引き起こす危険があるため禁止で、シャワー浴を行うようにと聞いたことがあります。しかし、最近は尿道カテーテル留置中であっても入浴してもよいと聞くようになったのですが、本当でしょうか?

 

尿道留置カテーテル挿入中患者の入浴は特に問題ありません。浴槽に入ることによって尿道口からお湯が侵入して、感染を引き起こすことはありませんが、採尿バッグが膀胱より高くならないように注意してください。

カテーテル挿入中の患者はシャワー浴に限定するのではなく、リフトバスなどに入れてあげて身体を清潔にすることが大切です。

尿道留置カテーテルを挿入すると、細菌尿発生のリスクは3〜10%でありカテーテル留置30日後には、ほぼ100%になると報告されています。

また、日本の病院の内科系・外科系の病棟を対象とした調査では、尿道留置カテーテル使用患者は病棟の15%であり、そのうち59%は完全閉鎖式カテーテルを挿入していました。膀胱洗浄を実施している患者は51%、入浴時の採尿バッグとカテーテルの接続を外す患者は29%であったと報告されています。

尿道留置カテーテル関連感染対策について、いくつかのポイントを解説します。

  • 治療などの目的以外に安易にカテーテルを挿入しない。
  • カテーテルは完全閉鎖式を使用して必要とされる期間だけ留置する。
  • カテーテルの閉塞が予測されなければ膀胱洗浄(潅流)は推奨されない。
  • 尿の流出が妨げられないように管理する。
  • 尿の逆流を防止するため膀胱より高い位置に採尿バッグを置かない。
  • カテーテルや採尿バッグは定期的に交換する必要はない。
  • カテーテルと蓄尿バックの接続は外さない。
  • カテーテルの挿入部の消毒は不要。
  • カテーテル抜去時の膀胱訓練は不要。

以上の項目に注意してカテーテルの管理を行ってください。

参考文献
  1. Garibaldi RA, Mooney BR, Epstein BJ, Britt MR. An evaluation of daily bacteriologic monitoring to identify preventable episodes of catheter-associated urinary tract infection. Infect Control. 1982;3(6):466-470.
  2. Saint S, Lipsky BA, Goold SD. Indwelling urinary catheters: A one-point restraint? Ann Intern Med. 2002;137(2):125-127.

この質問に回答いただいたのは・・・

島崎豊先生

愛知県厚生連海南病院 医療安全管理部 感染対策室 感染管理責任者 看護師長

1977年大雄会一宮看護専門学校卒業、大雄会病院、知多市民病院、1990年より現職。日本看護協会感染管理、聖路加国際病院感染管理、国立国際医療センターエイズ看護、県立愛知病院結核感染予防などの研修を修了。1994年感染管理責任者。医療安全管理部、感染対策室を立ち上げ現在に至る。日本医療機器学会理事、日本環境感染学会評議員、職業感染制御研究会幹事、中部地区中材業務研究会会長、歯科感染予防研究会会長。

愛知県厚生連海南病院 医療安全管理部 感染対策室 感染管理責任者 看護師長 島崎豊先生