産婦人科領域における面会制限についての質問です。
新型インフルエンザの流行を機に、産婦人科病棟は小児(15歳以下)の面会制限を行いました。今回、インフルエンザ対策を解除したものの、小児の面会を許可するか感染管理室でも検討しておりますが、答えを出し切れない状況です。小児は、流行性ウイルス感染症などの発症リスクも高く、妊産婦に暴露することで、病院内だけでなく、患者自身にも影響を与えるものと考えます。しかし、産婦人科の現場では,両親だけでなく、兄弟も家族形成の第1歩として、面会をさせたい希望があります。
面会制限を行うべきかにつきまして、ご意見を頂きたいと思います。
米国小児学会は、産科病棟、小児病棟、NICUなどに入院している患児を、その兄弟が訪問することを奨励しています。特にNICUでは入院が長期化する場合があるため、兄弟の面会が重要だとしています。但し、小児の面会については、以下の基本事項を盛り込み、かつ各医療機関の実情に合ったマニュアルを作成し、面会を奨励すると同時に、感染予防のリスクを最少に抑える必要があるとも言っています。
<兄弟の面会おける基本事項>
坂本史衣先生
学校法人 聖路加国際大学 聖路加国際病院 QIセンター
1991年聖路加看護大学卒業、聖路加国際病院公衆衛生看護部を経て、1997年米国コロンビア大学公衆衛生大学院卒業。聖路加国際病院看護部勤務の後、日本看護協会看護研修学校 感染管理認定看護師教育課程専任教員。2002年より現職。米国感染管理疫学資格認定機構 (CBIC)による感染制御認定資格(CIC)取得。日本環境感染学会理事、日本医療機能評価機構患者安全推進協議会感染管理部会副部会長。