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新型コロナウイルス禍の世界で健康診断はどう変わる?|学習ブログ|ASP Japan合同会社

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コロナ禍での受診控え

コロナ禍によって、病院への受診者が激減したことはご存じの通りです。

ましてや、健康診断ともなると、「今そこにある危機」ではなかろうと、ないがしろにされた感さえあります。
しかし、自覚症状のない病気ほど怖いものはありません。基礎疾患がある人が新型コロナウイルスに感染すると重症化する確率が高まることから、普段から健康であることの重要性が見直されるきっかけにもなりました*¹。

厚生労働省も各自治体も、過度な受診控えのリスクを訴えており、2年以上受診していない人がいることなども指摘されています。

こうしたことを背景に、がんと診断される人が増える傾向があったそうです。緊急事態宣言が全国に発令された2020年4月から5月を中心に、感染防止を目的にがん検診を休止する自治体や団体が全国で相次ぎ、その後に検診が再開されても、感染を警戒する受診控えの傾向が続いたと考えられており、検診を受けていれば早期に発見できたのに、状態が進行してから見つかったケースが指摘されています。

日本対がん協会が2022年4月に発表した支部アンケートの結果によると、五大がん検診を2021年に受診した人は、コロナ禍前の2019年より10.3%少なかったそうです*²。

厚生労働省は特定健診やがん検診を「不要不急ではなく必要な外出」というメッセージさえ出しています。

各医療機関は、施設内や手指の消毒、換気などを徹底して感染防止に配慮しているようですので、定期的な受診を心がけてがんの早期発見治療につなげ、自らの健康を守りたいものです。

5大がん検診の受診者数推移

コロナ禍で動かなくなると成人病のリスクが…

さて、私ごとですが、新型コロナウイルス感染症が流行しはじめ、出張が激減し、執筆の仕事が多くなったこともあり、体重が大幅に増えてしまいました。


新型コロナウイルスについてテレビで解説させていただく機会があり、後日その録画を観て仰天してしまいました。もともと大学の健康診断でも指摘を受けていましたので、2021年4月に一念発起して、半年かけて約25キロの減量に成功しました。

コロナ禍前よりスッキリしたようで、久しぶりにお会いした人には驚かれます。これも、健康診断で各種数値の異常を指摘してもらえたからこそ取り組めたのだと思います。

25kgの減量に成功した水谷哲也教授

肥満も基礎疾患?

基礎疾患のある方は新型コロナウイルス感染症のワクチンを接種することが推奨されているのはご存じの通りです。厚生労働省が定義する基礎疾患とは、慢性の呼吸器疾患・心臓病・腎臓病・肝臓病、糖尿病、免疫が低下する病気などです。
 
そして、これらの病気がなくてもBMI値が30以上の肥満の方は基礎疾患の定義にあてはまります*³。基礎疾患の中には治療が困難な病気もありますが、BMI値は改善できることが多いのではないでしょうか。
 
これまでダイエットに挑戦しては挫折してこられた方も、もう一度、真剣に取り組まれてはいかがでしょうか。
 
また、胃や大腸の内視鏡検査については、このコラムで繰り返し述べてきたように内視鏡や検査室の消毒が確実に行われていますので、皆さんも安心して、積極的に受診していただきたいと思います。
 

ポストコロナの健康診断こそ重要

 
ワクチン接種の様子
新型コロナウイルス感染症が収束・終息しても、きっと何年後かに次の新興ウイルス感染症が出現することもあるでしょう。どのようなウイルス感染症でも基礎疾患があると重症化する可能性が高くなります。
 
次の新興ウイルス感染症では重症化率を抑えるためにも、世界中の人々の基礎疾患を出来る限り減らしておく必要があります。健康診断のDX化はすでに始まっています。健康診断はますます受けやすくなっていくことでしょう。
 
長らく健康診断を受けておられない方はこの機会に、行かれることを検討されてはいかがでしょうか?

 
 
 

*1:厚生労働省「新型コロナワクチンQ&A」
*2:日本対がん協会「2022年4月4日お知らせ」https://www.jcancer.jp/news/12832
*3:厚生労働省「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き第8.0版)」

2022年9月(令和4年)

水谷哲也
東京農工大学農学部附属 感染症未来疫学研究センター
センター長・教授 獣医師・博士(獣医学)
 
 
 

 

 

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